リングダクトスピーカー「1」
リングダクトスピーカーは、
このように、スピーカーユニットの周りにぐるりとリング状にダクトを持つことから、そのように呼ぶようにしました。
見た目まんまですね。
この形状になるまでには、いろいろと試行錯誤がありました。
ある時、私は思いました。
バックロードホーン型では、低音を稼ぐには構造上結構大きくなることから、小型のサイズで製作するとすれば、
バスレフ型になるな…
低音を伸ばして、量感を稼ぐには?
バスレフ型で低域を左右するのは、ダクトの共振。ダクトが大きな役割を担っております。
一般的にはこんな感じでしょう。
ヘルムホルツの法則により、空気室の容量とダクトの断面積と長さにより、共振周波数が決まります。
空気室が同じ容量と仮定した場合、ダクトが長くなる、またはダクトの断面積が狭くなると低域方向に音が伸びますが、量感が減ってしまう方向に。
逆に、ダクトを短くする、またはダクトの断面積が広くなると、量感が増し、またスピード感もより出ると思うのですが、低域方向へ伸びなくなります。
では、ダクトを長く、断面積も広くできれば、低域に伸ばしつつ量感を確保できるのではないか?という単純な考えがベースにありました。
ですが...
このイメージのスピーカー筺体では、ダクトを太く、長くしようにも限界があります。
ダクトをある程度太くすることはできても、それに見合うだけの長さがどうしてもとれません(後方筺体に当たるため)。
そこで、ダクトの問題を解決しようとすれば...
こんな感じで、ダクト部分を空気室の外に出してしまうと可能になります。
(上のスピーカーイメージとは空気室容量が合ってませんが、イメージとして見てください^^)
でもこれでは、あまりに格好が悪すぎます。設置するにもダクト部分で場所を取りますしね...
そこで、
後ろに伸びたダクト部分を、空気室を囲むように前方へ折り曲げてリング状としました。これがリングダクト方式を考えた経緯です。
これにより、新たにメリットがいくつか考えられます。
まず、ダクトへの入口(空気室の出口)がユニット反対面中央に開口しますが、この部分から円周状にダクトが広がります。
ここにダクト断面積の変化が生まれており、低域増強の面ではプラスに作用しているように思います。
なおイメージではユニット反対面は平らですが、ここをカーブ状の形状にする、または幅の厚みを変化させることでダクト断面積の変化を緩やかにするなどのアレンジは可能で、将来的にはもう少し追い込んでみたいと思う部分です。
次に、ダクトが太いと中高域の音がそこから漏れる割合が大きい懸念があります。
しかし、リングダクトとすることで、断面積が同じとしてもリング状にすることで幅がかなり狭くなります。これにより、中高域部分の低減効果を高めることが可能となります。
それから、次は半分デメリットでもありますが、スピーカーユニットに対して均等に囲むようにリングダクトが配置されます。正面からみますと同軸スピーカー的となり、音像の定位感は優れるでしょう。ユニットをコアキシャルタイプ(同軸2way:ツィーター+フルレンジ等)にすれば、それこそ高音から低音をカバーする同軸スピーカーという状況となります。
デメリットというのは、
バスレフ型の作用として、ダクトの最低共振周波数を下回る低域部分では、ユニットの音をダクトが打ち消す方向となるために、ユニットとダクトは離して配置した方が良いとされます。
この点はダクトの最低共振周波数の設定によりますし、実際けっこう低域も再生していますからそれほど問題には感じておりません。
この中央配置、リング状のダクトというアイデアでもいけると思った背景には、当時、素晴らしい低音を再生すると評判が広がりつつあった
JSP方式の構造もありました(もちろん今でも高い評価です)。
センターにスピーカーユニット、それを囲むように均等に配置された4本のダクトという構造です。そこから軽やかな重低音を再生されることから、ユニットに対して均等なリング状でも可能性は高いのではないかと考えられたのも大きいですね。
引き続き、リングダクト方式についてアップしていきたいと思います。
リングダクトスピーカー「2」
リングダクトスピーカー「ダクト共振周波数の計算」(試作検証中)
リングダクトスピーカーの構造については、特許を出願しております。ただし、個人利用目的に関しましては自由に参考にして頂ければと存じます(使って頂けると嬉しいです)。
2008年11月19日作成